ちょい見せ!健康塾!②筋肉モリモリ!使える身体と使えない身体!
「うーん・・・何故ボディビルダーの筋肉は使えないといわれるのだろうか」
そんなことを思っているそこの君!
「筋肉量が運動には直結するんじゃないかなぁ」
そう思っていないか!?
実際問題、筋肉量は運動のパフォーマンスに直結します。
「でも、じゃあ何故ボディビルダーはクズ肉と言われるんだ?」
彼らの筋肉は重いものを持ち上げるのに最適な筋肉なので、実際ウエイトトレーニングにおいては超優秀な筋肉と言えます。
「でも、運動はできないだろ?」
運動能力に関しては、筋肉の量ではなく、関節や筋肉の連動によって変わります。
なので、筋肉量が多ければ勿論良いですが、それに合わせた運動もしないと、その筋肉達はちゃんと働かないのです。
「ラグビー選手やプロレスラーは筋肉でかいのに動けるじゃん」
そうです、それが運動に合わせた身体の使い方の取得なのです。
あの人達は運動ありきで、その運動のパフォーマンスを上げるために、筋肉をつけているのですから。
「って、ことは、ボディビルダーも運動を併用すれば運動できるってこと?」
それは勿論そうでしょうね。
しかし、ボディビルダーさん達のつけたい筋肉は飽くまでもカッコよくてでかい筋肉です。運動によって筋肉の質が変われば、ボディビルダーとしてはパフォーマンスの低い筋肉と言えます。
「じゃあ、変な話だけど、使えない筋肉の方がボディビルダー向けってこと?」
意訳ではありますが、そうと言って差し支えないでしょうね。
そもそも、大きくてかっこよい筋肉をつける競技なのだから、動ける柔軟な筋肉をつけるというのは競技者としてはマイナスでしかありません。
「でも、球技の選手も筋トレするでしょ?」
そうですね。
しかし、彼らのする筋トレと、ボディビルダーのする筋トレは質が違います。
「どういうこと?」
これは私の持論ですが、ボディビルダーさんはギッチリ詰まった、密度の高いボンレスハムのような筋肉が求められます。
それの方が筋肉の形として綺麗ですからね。
「じゃあ、スポーツ選手は?」
彼らは運動することが大前提になっているので、密度よりも、柔軟性があり、血流の良い筋肉が必要になります。
筋肉と言え、動かすのは酸素と栄養。それを運ぶのは血液ですからね。
なので、スポーツ選手がボディビルダーのようなトレーニングをすると、パフォーマンスが落ちるのです。
「でも、大きい筋肉の方が運動のパフォーマンスは上がるんでしょ?」
勿論、そうです。
しかし、コンスタントに100キロ持ち上げる筋肉があるとしても、競技中に100キロのパワーを使うことはありませんし、できません。
「なんで?」
筋トレで鍛えられる筋肉は、一般的に一つの方向性にしか強くならないからです。
「どういうこと?」
例えば、パンチ力で考えるとしましょうか。
パンチ力を発揮する筋肉は、細かいものを無視して大きいもので4つあります。
「腕の筋肉だろ?」
ところが、腕の筋肉は全くと言っていいほど使いません。
「えっ、でもパンチって手で打つじゃん?」
そこが、筋肉を知らない人が陥るポイントなのです。
ジムで鍛えていると、腕の力こぶを見ながらパンチ力の話をしている人たちがいますが、これは殆ど意味がないと言って良いでしょう。
「でも、格闘技の選手って力こぶすごくない?」
腕を引くことでパンチ力が上がるのも確かですが、余程うまい人じゃないと関係ないです。
その例で言うなら『走り早くなりたいなら腕も鍛えないと』というのが成立してしまいます。
ウサインボルトとかは上半身もすごいですからね。
でも、優先するのは下半身の筋肉でしょうし、もっと言うなら走る練習と、体幹トレーニングをした方が有意義でしょう。
「じゃあ、結局大きい筋肉は使えないっていうこと?」
大きい筋肉を付けたうえで、運動をすれば意味があります。
筋肉量がそもそも違うので、筋肉がなく、運動をしていない人に比べたら、運動のパフォーマンスは高いでしょうね。
「じゃあ、筋トレはやっぱり運動するには最適なんだね!」
特定の運動をするのであれば、特定の運動をして筋肉と関節、神経を発達させるのが最短ですけどね。
「結局、ボディビルダーの人たちは運動能力が低いんじゃないってこと?」
他の競技でいうと、練習で追い込みをかけて、うまくなるところ、追い込みをかけて筋肉を大きくしているものと思ってください。
ただ、筋肉の質も違うので、一概に運動能力が高まっているかと言えば微妙です。
「じゃあ、どんな筋トレしている筋肉が一番良いの?」
一番良い筋肉は、全身を使う競技でつく筋肉でしょうね。
「例えば?」
それこそ、プロレス、体操、ラグビー、アメフトなど・・・速さとパワーの両立が必要な競技は良質な筋肉だと言えると思います。
結論としては、運動上達をしたい人は、筋トレをするのは少し考えた方が良い、ということですね。
例えば、競技で使う筋肉を全然関係ない動きで強化しても、あまり意味はありません。
「つまりどういうこと?」
パンチを早くするために高重量のベンチプレスをするのであれば、パンチそのものの練習や、高速で腕立て伏せをした方が、運動学的には効果があるということです。
使える、使えない筋肉というのはありません。
大切なのは使ってあげるか、使ってあげないかなのです。